キムチの「日本食化」が止まらない…そもそもキムチ鍋は「韓国料理」なのか? [2/17] [昆虫図鑑★] at NEWS4PLUS
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23/02/17 09:57:36.14 OiVZ/h4m.net
キムチ鍋は韓国料理なのか?
 冬場、人気になる鍋料理の定番と言えば、水炊きや寄せ鍋、おでんなどがあるが、キムチ鍋もそろそろ定番の一つと言っていいだろう。最近は韓流ブームのため、さまざまな韓国料理・食材が流行しているが、その中でもキムチはかなりの古参。しかし、キムチ鍋は果たして、韓国料理と言えるだろうか? 
 韓国出身の知人・友人たちに聞いてみたところ、皆一様に「日本のようなキムチ鍋は韓国にない」とのお答え。韓国南部の慶尚南道出身の40代の写真家、姜美善(ガン・ミソン)さんは、「そもそも、しゃぶしゃぶを除くと、韓国では日本の鍋のような食べ方をあまりしません。少なくとも、私の記憶にはないです。キムチチゲは韓国の代表的な家庭料理ですが、豚肉かツナを入れたり、オムク(練り物)を入れたりします」と言う。
 ソウル出身の55歳、会社員の具寛謨(クー・ガンモ)さんも、「キムチチゲは、豚肉や缶詰のツナなどを入れますが、生の白菜は入れません。似た鍋料理として、牛薄切り肉や豆腐、ネギなどを入れるキムチジョンゴルがあります」と話す。
 在日コリアン3世で韓国に留学経験がある40代女性、会社員のCさんは、「もしかすると、キムチチゲや、熟成キムチと豚バラ肉のカタマリを蒸し煮にしたキムチチムから、アレンジしたのではないでしょうか」と言う。
 似たような料理はあるものの、やはりキムチ鍋は、韓国料理ではなかった。では、やはり日本で定番化している豚キムチやキムチチャーハンはどうだろうか。
 姜さんは、「キムチチャーハンは家庭料理で作りやすく、私もよく食べています。豚キムチも若者が作れる簡単な料理ですし、定食屋でもよく食べます」と言い、具さんは「キムチチャーハンは、韓国でキムチポックンパと言い、ごま油を最後にかけます。豚キムチはないですが、豚とキムチの相性はいいです」と話す。
 Cさんは、「豚キムチに近いトゥルチギというメニューがあります。キムチチャーハンは、家庭でも外でも食べられる定番のキムチポックンパがあります。必ず目玉焼きが載っています」と言う。
 豚キムチに関してだけ回答が食い違うが、それはもしかすると地域差が理由かもしれない。韓国食文化にくわしいフード・コラムニストの八田靖史さんが主宰するウェブサイト『韓食ペディア』によると、トゥルチギは豚肉の炒め物または鍋で、姜さんの出身地を含む慶尚道の炒め煮の作り方が最も広がっているという。
キムチ鍋とキムチチゲの違い
 というわけで、キムチ鍋だけが完全に日本オリジナル。鍋料理は世界中にあるが、日本では、たいていの鍋料理で基本となる材料が同じだ。
 キムチ鍋も、キムチまたはキムチ鍋の素を入れる他は、寄せ鍋などとほぼ具材が同じ。白菜や白滝、白ネギ、豆腐などが入る。メイン食材として肉または魚介類が入るが、キムチ鍋の場合は豚肉が定番。一方、韓国が出身地またはルーツの皆さんに聞いたキムチチゲの具材は、キムチ、豚肉またはツナ、ネギ、豆腐で、最も大きな違いは生の白菜を入れないこと。
阿古 真理(作家・生活史研究家)
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