【Newsweek】 横領、 ..
1:荒波φ ★
20/06/04 11:55:03 CAP_USER.net
<寄付金の5%以下しか支援に使っていない、ケガをしても病院に連れていくのを拒否した、慰安婦問題に関心すらない......。日本でもよく知られる「ナヌムの家」職員か゛経営陣を内部告発した>
ナヌムは「分かち合い」の意味を持つ。1992年にソウル市内に開館し、95年にソウル近郊の京畿道広州市に移転した「ナヌムの家」は、慰安婦被害者の支援施設だ。これまでに20人以上が暮らしてきた福祉施設である傍ら、慰安婦問題の歴史館を併設し、日本人職員も在籍。日本からも多くの見学者が訪れてきた。
そのナヌムの家の職員7人が、幹部や経営法人による不正行為を告発した。
告発者の1人である日本人職員の矢嶋宰によると、2019年3月、ナヌムの家を運営する「社会福祉法人大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」法人理事会が累計10億円以上の寄付金を集めながら、被害者支援にはその5%以下しか使っていないことが分かった。
「19年には約2億6000万円の寄付金が法人口座に振り込まれたが、ナヌムの家の施設用口座に移されたのは約640万円で、これは光熱費など維持費に充てられた。残りは不動産購入や建物の建設費用に回されていた」
同年6月にはある入居者が、経年劣化で傾いたベッドから落ちてケガをした。しかし施設の事務長は当初、病院に連れて行くことを拒否。「お金の乱費になるから」と、買い替えも拒否した。結局職員が命令を無視し、別の安全なベッドに替えたという。
これまでも、持ち合わせがなく冬に夏用の靴を履いていた入居者に靴を買い与えなかったり、一人一人の体調に合わせた食事ではなく、全員に同じものを供したりするなど疑問に思う点があった。
そこで職員たちは独自に内部調査を開始。すると運営法人が施設周辺の土地を買い集め、慰安婦被害者たちが亡くなった後は入居スペースをつぶし、約80室の有料高齢者施設に造り替える計画を立てていることが分かった。寄付金はその準備資金に充てられていたのだ。さらに葬儀費用も当人や遺族に支払わせ、香典は法人が徴収していた。
■10年前も告発があった
慰安婦被害者を支援するための寄付金なのに、これでは横領ではないか。彼女たちの生活や健康を無視するのは高齢者虐待ではないか―。
職員たちは19年7月に改善要望書を提出するが、理事会はこれを黙殺。20年に入って韓国政府の行政機関「女性家族部」や、施設がある京畿道と広州市に陳情したが、こちらも一般的な監査のみで終わった。そこで7人は5月19日、韓国の放送局MBCの調査報道番組『PD手帳』に出演し、実名顔出しで告発を行った。
番組では理事代表の僧侶がナヌムの家とは関係のない著書を寄付金から大量購入させたり、職員にクンジョル(ひれ伏す形の挨拶)を強要したりしていたことにも触れた。
「別の僧侶は出勤履歴がほとんどないのに、5年間で寄付金から約500万円の給与を受け取っていた。また施設長は勤務中に野球のテレビ観戦やネットショッピングなどの職務怠慢を幾度も働いてきた」と、矢嶋は言う。「施設長も事務長も慰安婦問題の専門家ではなく関心もない。その証拠に彼らが昇級し権力を得た09年頃から、福祉ビジネス計画と不動産投資のための資金確保が始まっていた」
矢嶋らは外部の有識者と共に対策委員会を結成し、法人解散や歴史の現場としての居住スペースの保存、寄付金は全て慰安婦被害者の福祉や慰安婦問題関連事業に使用することなどを求めている。
<2020年6月9日号掲載> 2020年6月4日(木)11時30分 朴順梨(ライター)
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