【週刊新潮】北朝鮮が日本に突き付けた課題―「核の傘」は守ってくれない[10/18] at NEWS4PLUS
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1:ねこ名無し ★
17/10/18 05:01:41.30 CAP_USER.net
「核の傘」は日本を守ってくれない―京都大学名誉教授・佐伯啓思(下)
もともと日本にとって“拉致問題”であったはずの北朝鮮問題は、日米同盟、そして核拡散を認めないアメリカの戦略と切り離せないものとなった。京都大学名誉教授の佐伯啓思氏が、日本人が直面する本当の危機を説く。
***
安倍首相は、国際社会が一致して圧力をかけて、北朝鮮の核開発を停止させなければならない、という。それはそれで必要なことで、北朝鮮への国際的圧力が高まればよい。しかし、実際には「国際社会」という名の何かがあるわけではなく、また、足並みがそろうとも思えない。日本、アメリカ、韓国でさえ、それぞれの利害や関心は異なっている。
ましてや、中国、ロシアとなれば、事情が大きく違ってくる。中国もロシアも、北朝鮮が崩壊するよりは、時々、問題を引き起こしてアメリカを刺激するこの暴れん坊をそのままにして、利用価値を維持したいところであろう。
ロシアのプーチン大統領が米朝の調整を仲介する可能性はあるが、それも、北朝鮮を利用して、いわばアメリカに貸しを作ろうという魂胆である。中露ともに関心があるのは、対米力学だけといってよいだろう。そのためには北朝鮮という「緩衝地帯」は必要なのである。
したがって、「国際社会の一致した圧力」に期待したところで、ほとんど裏切られる。とすれば、軸になるのは、やはり「日米同盟」ということになる。
“ほかにやりようもない”ことが問題
実際、2003年、アメリカのイラク攻撃に日本政府はいち早く支持を表明した。世界の「ならず者国家」と戦うというブッシュ大統領を小泉首相は強く支持した。イラクを始めとする中東諸国など、もともと日本とまったく何の緊張関係もない地域であり、そもそもイスラム教徒と仏教徒が対立する理由もない。
にもかかわらず、アメリカの戦争にどうして日本が支持を表明したのか。それは、北朝鮮問題(および尖閣問題)において、アメリカの支援を得るためであった。
さらに05年には、日米両政府の間で、「日米同盟:未来のための変革と再編」なる合意がなされた。ここでは、日米両国は、世界秩序を破壊しかねない「ならず者」との対決を謳っているのである。日本は何やらカウボーイの子分になったようなものだが、これは、アメリカからすれば対テロ組織との戦争であり、日本にとっては、北朝鮮との緊張を念頭においた合意であった。
こうして、日本の対北朝鮮対策は、ほぼ全面的にアメリカ頼みということになる。そして、日本の拉致問題は、アメリカの最大関心事である核問題に飲み込まれてしまう。日本政府も、拉致問題と核問題を切り離すというスタンスに立ち、アメリカと協調して核問題に関心を集中することとなった。安倍首相も、もっぱらアメリカとの共同行動による核とミサイル開発の停止を重視している。
しかし実際には、この両者は切り離せないのである。それは、両者とも国際的なルールを無視する金独裁政権の体質に関わる問題だからである。
現下の日本の対応は、あまりあてにならない「国際社会の圧力」やら、トランプ氏のアメリカ政府に依存するほかない。これはまぎれもない現実で、現状では、アメリカとの緊密な連携という名の対米依存よりほかにやりようもない。
しかし、実は、そのこと自体が問題というべきである。“ほかにやりようもない”という事実が本当は問題なのだ。本来は、北朝鮮問題に向けた、日本独自の対応があってしかるべきであろう。拉致問題でいかに北朝鮮に圧力をかけるか、また北朝鮮の脅威に対して、日本独自の防衛網をどう構築するのか、それらは本来、日本独自の防衛力と防衛政策の問題なのである。
日米同盟を否定するものではないが、日本を守るものはまずは日本の自主的、自立的防衛である、というのが原則であろう。
もちろん、物事は原則通りにはいかない。とりわけ国際関係に関わる事項は原則通りには運ばない。現実との兼ね合いが必要となろう。「やむをえないこと」もいくらでもある。それでも、自分たちの国を自分たちの手で守ることが防衛の原則である、という、その基本は変わらない。
URLリンク(www.dailyshincho.jp)
>>2以降に続く)


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