【刀】鈴木眞哉史観を ..
834:日本@名無史さん
16/07/25 12:14:08.50 .net
>>833続き
東軍流十七代宗家、タイ捨流の免許皆伝として古流剣術を稽古し、真剣を実際に扱い、歴史学の分野においても、
『日本武術・武道大事典』を編纂するなど、武術と刀剣との関わりを深く研究・理解してきた著者が、
刀剣のおこり・発達、武人・文人に関するさまざまなエピソードを披瀝する類書なき新書である。
顔を正面にすえたまま、鞘口をみないで、鋒で手や指、腕を傷つけないように、どうすれば納刀できるのか。
時代劇の場数をふんでいない役者の場合は、鞘に納める途中から映す。チャリン、と音をさせて。
すこしキャリアの積んだ役者ならば、左手の親指と人差し指をつかって鋒を手挟み、棟=峰(刃の反対側の部分)が手前になるように、鞘口から刀身を入れていく。
これならば、前を向いていてもできる。
ただ、本当に修行した手練れは、刀身を汗のついた指でさわったりはしない。後の手入れが、日本刀は大変なのだ。
指で挟まずに鞘口に峰の部分をあて、静かに感覚で中へ入れていくのだが、これができる使い手はきわめて少ない。
つまり、剣豪・佐々木小次郎の「物干竿」と呼ばれる刀―あの長い刀を肩にしょって、抜くことはできないし、ましてや、納めることは不可能であった。
いつも思う。日本伝来の古武術と日本刀は実によく似た宿命を負っている、と。
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