【黒沢清】散歩する侵略者 part.2

【黒沢清】散歩する侵 ..

595:ﾈｯﾄの感想より
17/09/15 10:55:03.02 YPRu9spF.net
宇宙人は、侵略には３ヶ月かかる、と言っていた。
何かの因子を与えれば勝手に自滅する、とも。
「２か月後」の避難所は、あの未曾有の災害を想起させる。
不謹慎な言い方だけれど、あの時私たちは、少々テンションがおかしくなかっただろうか。
常になく愛に満ちて、誰かのために何かしたい、すべきだ、という気持ちに満ちあふれていた。
爆撃機に身を晒した桜井のように。
あきらと天野は、桜井を使って侵略プランのシュミレートをしたのではないだろうか。
桜井と天野の奇妙な友情、擬似父子愛。
天野が桜井の身体に移ったにしろ、移らなかったにしろ(そこはあえてはっきり描写しなかったのだろう)
桜井に自分の身体を使えと言わせたのは、その源は「愛」だ。
桜井は愛によって、自滅した。
宇宙人の攻撃の日から２ヶ月。最初の混乱も落ち着いて、絆の盛り上りもピークの頃だ。
今また何かあったら、人々は愛に満ちた自己犠牲的行動をとるだろう。桜井のように。
あと１ヶ月。侵略は進行中なのだ。目に見えない何かが、じわじわと進行している。
愛は地球を救わない。
人類は、人間を人間たらしめる崇高な愛によって、自滅する。

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