【朝日新聞】特集:慰安婦問題を考える 吉田証言は虚偽と認める 「軍の関与の元に女性の尊厳が踏みにじられたという本質の直視を」★3 at NEWS4PLUS
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14/08/05 13:47:43.53
慰安婦問題を考える
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慰安婦問題の本質 直視を
編集担当 杉浦信之

■慰安婦問題を考える

 この問題は1990年代初めにクローズアップされ、元慰安婦が名乗り出たのをきっかけに議論や研究が
進みました。戦争の時代に、軍の関与の下でアジア各地に慰安所が作られ、女性の尊厳と名誉が深く傷つけ
られた実態が次第に明らかになりました。

 それから20年余、日本軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」の見直しなどの動きが韓国内の反発を
招いています。韓国側も、日本政府がこれまで示してきた反省やおわびの気持ちを受け入れず、かたくなな
態度を崩そうとしません。

 慰安婦問題が政治問題化する中で、安倍政権は河野談話の作成過程を検証し、報告書を6月に発表しました。
一部の論壇やネット上には、「慰安婦問題は朝日新聞の捏造だ」といういわれなき批判が起きています。
しかも、元慰安婦の記事を書いた元朝日新聞記者が名指しで中傷される事態になっています。読者の皆様からは
「本当か」「なぜ反論しない」と問い合わせが寄せられるようになりました。

 私たちは慰安婦問題の報道を振り返り、今日と明日の紙面で特集します。読者への説明責任を果たすことが、
未来に向けた新たな議論を始める一歩となると考えるからです。97年3月にも慰安婦問題の特集をしましたが、
その後の研究の成果も踏まえて論点を整理しました。

 慰安婦問題に光が当たり始めた90年代初め、研究は進んでいませんでした。私たちは元慰安婦の証言や
少ない資料をもとに記事を書き続けました。そうして報じた記事の一部に、事実関係の誤りがあったことが
わかりました。問題の全体像がわからない段階で起きた誤りですが、裏付け取材が不十分だった点は反省します。
似たような誤りは当時、国内の他のメディアや韓国メディアの記事にもありました。

 こうした一部の不正確な報道が、慰安婦問題の理解を混乱させている、との指摘もあります。しかし、
そのことを理由とした「慰安婦問題は捏造」という主張や「元慰安婦に謝る理由はない」といった議論には
決して同意できません。

 被害者を「売春婦」などとおとしめることで自国の名誉を守ろうとする一部の論調が、日韓両国の
ナショナリズムを刺激し、問題をこじらせる原因を作っているからです。見たくない過去から目を背け、
感情的対立をあおる内向きの言論が広がっていることを危惧します。

 戦時中、日本軍兵士らの性の相手を強いられた女性がいた事実を消すことはできません。慰安婦として
自由を奪われ、女性としての尊厳を踏みにじられたことが問題の本質なのです。

(中略)

 5日の特集では、慰安婦問題とは何かを解説し、90年代の報道への読者の疑問に答えます。6日は、
この問題で揺れる日韓関係の四半世紀を振り返るとともに、慰安婦問題をどう考えるかを専門家に語って
もらいます。

(つづく)

朝日新聞デジタル 2014年8月5日05時00分
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