【上級国民事件】自民党改憲草案で、現憲法の「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない」を削除していた 解説 ★2
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「上級国民」が自民党改憲草案に記述されていた、現憲法の「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない」を削除
2019年4月25日19:15 by 深海
池袋での暴走事故をきっかけとして大きく知られるようになった「上級国民」という言葉ですが、自民党の改憲草案に「上級国民」の誕生を示唆する内容がありました。詳細は以下から。
◆池袋の暴走事故でトレンドとなった「上級国民」
池袋で発生した、無職・飯塚幸三(87)による暴走死傷事故。ブレーキやハンドルの操作もなく暴走し、母子が犠牲になる極めて痛ましい事故ですが、運転手である飯塚の処遇を巡って大炎上となっています。
2人が死亡し8人が怪我をする極めて重大事故にも関わらず、飯塚は現在に至っても逮捕されていません。
これは入院中のため致し方ない処置であると説明されていましたが、テレビで「警視庁が退院後も逮捕せずに任意で事情を聞く方針」であることが放送されると「上級国民だからじゃないのか」「上級無罪だ」と怒りの声が上がりました。
「上級国民」というネットスラングがここで登場した理由は、飯塚がかつて旧通産省の工業技術院元院長というエリートであり、クボタの副社長も務めていた上に瑞宝重光章という位の高い勲章を授与された人物であること。
これに加えてマスコミが事故報道で飯塚の事を「さん」付けで呼んだり「元院長」と役職で呼んでいたことも火に油を注ぐことになりました。
また、直後に発生した神戸市のバスが歩行者をはねて2人を死亡させた事故では、「大野二巳雄容疑者(64)が過失運転致死の現行犯で逮捕」されたと報じられており、こうした対比もさらに炎上を激化させています。
◆特権を持つ「上級国民」の存在は違憲
もちろん日本国憲法を紐解けば、平等主義をを規定する第14条に
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
としてあるとおり、例え元官僚であろうと、企業の役員であろうと、勲章を授与されようと法の下に平等ということになっています。
つまり飯塚が上記のような理由で逮捕を免れていたとすれば、憲法違反ということになります。
◆自民党改憲草案で抹消された「いかなる特権も伴はない」の文言
ここで、ネット上で指摘されているのが自民党改憲草案です。この改憲草案では、平等主義を規定する第14条に極めて大きな変更が加えられています。
全て国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
華族その他の貴族の制度は、認めない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
日本国憲法改正草案(全文)より引用
現憲法と比較すると「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない」という文言が削除されていることが分かります。
もし実態を変更しないのであれば文言を変えたり削除する必要はありませんので、ここで「いかなる特権も伴はない」を削除した事には極めて大きな意味があることになります。
例え全ての国民が法の下に平等であっても、その法を運用するのは警察庁も含んだ国や自治体の行政機関であり、現憲法下でもその法の運用が平等ではないと考えられたため、今回の炎上が起こっているわけです。
では改憲が行われ、自民党改憲草案が新憲法となった場合、こうした運用はいったいどうなるのでしょうか。
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2019/04/26(金) 04:02:36.14
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