アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 at ANICHARA
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293:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:09:57 DqWok9XA


294:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:10:21 UVM1PEYm
 

295:崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs
07/11/22 23:10:56 rparoU/e
   参/3―

 全ての戦いに決着がついた後、その二人は遅れてやって来た。

「ひどい……街がめちゃめちゃ」
「……卑劣な」

 その破壊が、ソルテッカマンによって齎されたものなどとは露とも思わず、Dボゥイは憤る。
 ゆたかも、テレビなどで見た震災の映像を思い出しながら、珍しい光景にただただ息を飲んだ。
 二人もまたランサーと同じく、騒音に引き付けられやって来た者。
 騒乱に直接関わることはなかったが、惨事の大きさは、容易に想像ができた。
 粉々に砕け転びやすくなったアスファルトを踏みしめながら、二人は破壊された街々を行く。

「あっ、あれ見てください」

 そのとき、Dボゥイの背中に縋るように歩くゆたかの瞳に、微動する瓦礫の山が映った。
 何者かが埋もれていると直感したDボゥイは、ゆたかの身を長身で隠し、声を発した。

「誰かいるのか!? 返事ができるようなら―」

 瓦礫の山に向かって―Dボゥイは、すぐさま異変に気付いた。
 埋もれているのが騒乱の被害者であるならば、助ける余地はある。
 だが加害者であるならば、それなりの戦力を持った危険人物であるのは必至。
 前者ならともかく、後者なら即座に対応しなければならない。ゆたかを守るための最善策を。
 そしてその異変の正体は―どうやら後者のほうであるようだった。

 瓦礫の山が、崩れる。中から、人が出てきた。

「……やあ、久しぶりだね。兄さん」

 埃に塗れた姿は、どこか狂気染みたオーラを纏う青年で―顔つきは、どこかDボゥイに似ていた。

「シンヤ……」

 強張った形相で、Dボゥイは埋もれていた男をねめつける。

「Dボゥイ……さん?」

 この二人の因縁などまったく知らないゆたかは、ただ首を傾げることしかできなかった―
 ―その胸に、得体の知れぬ不安を抱えて。

 放送が、流れた。



296:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:11:17 Z6db3XAr



297:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:11:25 tVLBffFM
                         

298:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:11:52 UVM1PEYm
 

299:崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs
07/11/22 23:11:59 rparoU/e
【C-6南西部/市街地跡/一日目/昼(放送開始)】

【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:左肩から背中の中心までに裂傷(傷は塞がったが痛みは若干残っている)、全身打撲(中)、貧血(中)
[装備]:テッカマンアックスのテックランサー(斧) @宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:デイバック、支給品一式、月の石のかけら(2個)@金色のガッシュベル!!   
[思考]
基本:テッカマンエビル(相羽シンヤ)を殺す
1:シンヤに対処。ただしゆたかの安全を最優先
2:病院に戻り、二人分の代えの服や薬品、治療のための道具を集める
3:病院に戻ったら、一度食事と休憩をすませる
4:次の目的地を定め、速やかに病院を離れる
5:信頼できる人物にゆたかを預けたい……だが(?)
6:極力戦闘は避けたいが、襲い掛かってくる人間に対しては容赦しない
[備考]
※殺し合いに乗っている連中はラダム同然だと考えています
※情報交換によって、機動六課、クロ達、リザの仲間達の情報を得ました
※青い男(ランサー)と東洋人(戴宗)を、子供の遺体を集めている極悪な殺人鬼と認識しています

【小早川ゆたか@らき☆すた】
[状態]:疲労(小)、心労(中)
[装備]:COLT M16A1/M203@現実(20/20)(0/1)、コアドリル@天元突破グレンラガン
[道具]:デイバック、支給品一式、糸色望の旅立ちセット@さよなら絶望先生[遺書用の封筒が欠損]
    鴇羽舞衣のマフラー@舞-HiME、M16アサルトライフル用予備弾x20(5.56mm NATO弾)
    M203グレネードランチャー用予備弾(榴弾x6、WP発煙弾x2、照明弾x2、催涙弾x2)
[思考]
基本:元の日常へと戻れるようがんばってみる
0:なんだろう、この不安は?
1:Dボゥイが帰ってきたら、一緒に食事と休憩をすませる
2:Dボゥイの指示にしたがって行動する
[備考]
※コアドリルがただのアクセサリーではないということに気がつきました
※夢の内容は今のところぼんやりとしか覚えていません

【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:全身各所に擦り傷
[装備]:カリバーン@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、ファウードの回復液(残り700ml)@金色のガッシュベル!!、首輪(パズー)
[思考]
1:まずは兄さんに“挨拶”
2:ロイドの下に首輪を持っていく。
3:制限の解除。入手した首輪をロイドに解析させ、とりあえず首輪を外してみる。
4:テッククリスタルの入手。
5:Dボゥイの捜索、及び殺害。


※B-6の一部、C-6のほぼ全域が崩壊しました。一部まだ火災が続いてる場所もあり、煙が昇っています。

300:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:12:33 tVLBffFM
                         

301:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:13:02 X6h7z9C7
 

302:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:26:34 9AnamKD/


303:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:04:53 RFxWyhu3
>>338-454

アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ1
スレリンク(asaloon板)

したらばの方は
仰られていた通りに移動先作りましたのでそちらに移動してください

304:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:36:17 aOp3zC+i
やだ。

305:鉄の、無敵の、 1 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:39:27 PKjTl46f




『くだらん』


それが結論だ。
地図の枠に沿って位相差ゲートがあるのかどうか。
そのようなオーバーテクノロジーが存在するのかしないのか。
この枠の外へ踏み出せば何が起こるのか、起こらないのか。
あの女が不可思議な技を使うのか使わないのか。
今、あの女が何処にいるのか。
生きているのか、死んでいるのか。
その全てが、自分にとっては取るに足らない、下らない問題なのだと再確認する。

科学的な検証は物理学者がすれば良い。
理解不能な事象を無理に理解しようとする必要も無い。
可能性は、可能性として留め置けば良い。
あの女が生きているなら、見つけ出して殺せば良い。
怪しい技を使うのならば、使わせる前に殺せば良い。
自分の知らない情報を知っているなら、吐かせれば良い。
そう、全ては極めて単純なことである。

俺が今、思い悩む必要など、無い。

そして、目に見えない境界線へと向けていたその眼を、街の方へと向け直す。
その視線の先では、この閉じた世界に囲われた、虫けらの如き人間共が、殺し合いをしているのだろう。
そう、是は極めて簡単な状況だ。
俺は、前に進む。
障害は、排除する。
邪魔をするものは、殺す。
そして、俺は、俺自身が行きたい場所に行き、成りたい物になる。
ただそれだけの事だ。
それは、何時だろうが、何処だろうが、変わることなど無いだろう。
これまでも、そしてこれからも。

まどろっこしい真似などする必要はない。
進み、奪い、屠る。
虱潰しに。
ただ、それだけだ。

毒蛇は、人を呑み、他の蛇を呑み、そして、龍をも呑み込む。


そして、獲物を求めて、前へと進みだした。




 @ @ @ @ @ @


306:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:40:10 yJ606T4k
   / ./i        `、
  / ィ/ ヾ,,、       }
  lノ、i゙, , _,.r'`ゝ、r-、  |
    ゝ,、( o) ̄'v'6,l  i
    ヽソ.  ̄    ,r'、 ノ   ぶっちゃけ、したらばがこのスレを荒らしてるんじゃないか
      ', -‐'`  ノ ヾr、._
       ', `  / ,r‐'゙/ \_
      ゙ フヾ゙,r''´,r/  /
     _,,r'ヽ',~,r''/__/
   ‐''´ ‐''" !/  \

307:鉄の、無敵の、 2 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:40:31 PKjTl46f


「わぁ! こんどはおっきい観覧車だぁ!!」
「おいおいイリヤ、地面も見ないと転んじゃうぞ!」
「ハァ……“また”か……一難去ってまた一難…・・・欝だ……」

やあ、全世界60億の老若男女即ち僕のファン達、元気かな?
ご存知、全人類のスーパースター、フォルゴレさ!
僕達、フォルゴレ、イリヤ、ねねねの3人は、
昨晩一夜をエキサイティングな思い出で満たしてくれた水族館を後に、
ミス・ねねねご所望の、図書館へと向かって歩き出した所だぜ。
もうお日様もずいぶん昇り、ちょいと小腹が空いてきたって頃合かな?

「つーか、どんだけ牛歩なんだよこの集団は……
 お前ら、目に付くモノ全てに興味示してるんじゃ無いよ……
 なんでン時間も経ってるのにこの程度しか進んで無いんだよ……」
さっきからご機嫌斜めのねねね嬢を笑顔にしてあげられない、自分の無力さが残念極まりない。
そもそも、折角仲良く(?)なったラセン君との別れを惜しんだりと、水族館を離れるまでにも、それなりの時間が必要だった。
それに、道中で見たワンダースポット、モノレールやドーム球場に心奪われるイリヤが居ては、
僕としてもそれを無下にあしらうことなど出来はしない。
近代的かつ展望の良さが期待できるモノレールには、当初からイリヤが目を付けていた事もあり、
その使用の是非を巡って中々な熱戦が繰り広げられた。
しかし、図書館に行くには遠回りになる、次のモノレールが来るまでに時間がありすぎる、と言うねねねによって、
結局、モノレールを利用するという案は却下になった。
そして、次に我々を虜にしたのがドーム球場だったが、
これも、誰も試合をしていないドーム球場なんて殺人事件の起きない推理探偵モノのようなものだ、という、
ミステリー作家に恨みでもあるのか? と言いたくなる様なねねねの暴論によって、その探索は却下となった。
そして、そういった諸所での出来事が積み重なることにより、
僕とイリヤのテンションは上がり、それと反比例するようにねねねの表情は曇って行ったのだった。
「僕のやり方が、ねねねにはお気に召さなかったみたいで残念だなあ。
 でも、そんなに暗い顔してたって、何も良いことなんかありゃしないぜ?
 ほら、スマイル、スマイル!」
「いや、お気遣いはありがたいんだが……もうちょっと、こう、緊張感というか……」
「ハハハ、そんなにツンツンしてたら、逆に相手も構えちゃうだろう?
 そういうのって損だと思うよ。壁を作って周りを拒絶してたって、何も良いことなんか無いさ。
 それに、誰だって心を割って話し合えば、理解しあえないことなんて無いよ!
 だからホラ、ねねねもスマイル、スマイル!」
「世界中がお前みたいなのだけなら、戦争も起こらないんだろうなあ……」
「おいおい、褒めても何にもでないぜ?」
「褒めてねえ……」

「ちょっと、二人とも、早く―!! 置いてっちゃうわよー!!」
前を行くイリヤが叫んでいる。
「おのれちびっ子め……ここまでのタイムロスを誰のせいだと……」
「ハハハ、過去なんて、あんまり気にするもんじゃないよ?」
「過去ってか今さっきだし! つか、お前も同罪だし!!」
「よーしイリヤ、あの観覧車まで競争だー!!」
「あー、フォルゴレずるーい! ちゃんとヨーイドンしなよー!」
「……逃げたな……」



308:鉄の、無敵の、 3 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:41:33 PKjTl46f
そんなこんなで、観覧車直前の橋まで来た時だった。
先頭はぶっちぎりでこのフォルゴレ。後にねねねとイリヤが続いている。
先に橋を渡って待とう、そう考えた僕が、橋を渡りかかったその時に、ふと気付いた。

橋の上の真ん中に、誰かが立っていたんだ。
失礼ながら、オバケとか悪魔とか、そういうのを連想してしまう雰囲気の人だ。
杖代わりの棒を持っているようだけれど、長い距離を歩いて疲れているのだろうか。

僕達以外で巻き込まれてしまった人だろう。そう思った。
だから、僕の取る行動は、決まっていた。

「やあ! そこの人! 君もこのパルコ・ファルゴレの仲間にならないかい!?」

何時ものスマイルで、そしてビシッ!とポーズを決めながらの一言!
よし、今回も決まった、完璧に……!


「…………って、アレ?」
しかし、眼前の男の人は、仏頂面のまま、眉一つ動かさない。
は、ハズしてしまったか……!?
だ、だが慌てない、スーパースターはこの程度では慌てない!
僕にはまだ、掴みのテクニックは無数に―

「おーい、フォルゴレー、待ってー」
と、後方から2人が追いついて来た様だ。
これで仕切りなおし、といったところだろうか。
「ああ、紹介しよう、彼女らが僕らの仲間の―」
そう言いながら振り向いた、その時。
「フォルゴレ、危ないっ!」

―ヒュン

「うわぁっ!」
僕の眼前を、黒い鉄塊が通り過ぎていった。
男が手にした鉄パイプの一撃……と、瞬時に理解する。
かわせたのは、偶然と、咄嗟の反射のおかげだった……だけど。
「ぐほッ!」
切り替えしの一撃が、鳩尾に直撃する。
一撃目はフェイント代わりで、本命はこちらだったのだろう。
しかし、これは確かにねねねの言う通り、もう少し緊張感を持っておいた方が良かったかもしれない。
食らった一撃の重さに悶えながらも、うっすらとそう考える。
……うん、それぐらいの余裕は、まだある。

「フォルゴレ、離れろ! ソイツはヤバイって!」
後ろで叫ぶ、ねねねの声が聞える。
そういえば、彼女が持っている、特別な“名簿”があったっけ。
全参加者の情報が載っているという名簿。
ソレを読んだねねねがそう言うってことは、相当ヤバイ人だったんだな、この男。
でも、ねねねに言われるまでもなく、この男のヤバさは肌で感じ取れる。
緩んでいた僕のネジが、高速回転で締まってゆく。


309:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:42:04 kksn+1nD
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない

書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。

書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

-------------------------------------------------------------------------


いらない文章本当に多すぎだな。何度も見てるけど

310:鉄の、無敵の、 4 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:42:53 PKjTl46f
僕も、昔はちょいとヤンチャが過ぎる頃があった。
でも、だからこそ分かる。子供の遊びと、大人の仕事の間にある、確固たる隔たりを。
僕らが無意識の内に持っている大事なものを、とっくの昔に捨ててしまったような人種というのは、確かに居る。
そういう人間って言うのは、特有の目をしているんだ。
そう、この男のような。

男が、無表情のまま、ねねねとイリヤのほうを見た。
ああ、いけない。
この男は、全員殺す気だ。
そのためには、僕を放って置いて、逃げられると厄介な2人を先に始末した方が効率的なんじゃないかと、
冷静に計算しているんだ。
ダメだ、それだけは、なんとしても、ダメだ……!

「待ってろファルゴレ、いま助けに―!」
ダメだ、来ちゃダメだ。
こいつは、相手が女子供だからって、容赦どころか、意にも介さない。
冷静に、淡々と、ノルマをこなす様に……殺される。
ダメだ、、ダメだ……!

「ダメ……だ……! 二人とも、来ちゃダメだ……!」
痛むお腹を押さえつつ、やっとの思いでその言葉を捻り出す
「おまえ、その状況で何カッコつけてんだよ!」
「格好も……付ける……さ。な、何たって僕はスーパースター、だからね。
 それよりもねねねは……イリヤを、頼むよ」
僕の言葉を聞いたねねねは、はっとしたようにイリヤを振り向く。
イリヤも緊張した、張り詰めた顔をしている。
そう、今にも僕を助けようと、駆け出しそうな表情だ。
イリヤを、こんな危険な事に巻き込んではいけない。
子供を守るのが、大人と、お兄さんの役目だろう?
「で、でもっ、それじゃあフォルゴレが、フォルゴレが!」
そんなイリヤの悲痛な叫びを、優しく、窘めるように、言ってあげるんだ。


「ハハハ、僕を誰だと思っているんだい? 僕は、鉄の、無敵のフォルゴレだぜ?」


その時、おもむろに、男が2人の方へと歩き出した。
2人に狙いを定めたんだ!
「ねねね! 今なら間に合う、いや、“調度良い時間”だ! 行けっ、行くんだ!!」
絶叫にも似た僕の声に突き飛ばされるように、ねねねの体が飛んだ。
イリヤの腕を掴んで。
「何するの、ねねね! ダメ、ファルゴレを助けないと!!」
「黙ってろ! 黙って、走れ!!」
嫌がるイリヤを、ねねねが無理やりに連れて、走り出す。
ねねねは、ちゃんと僕の“キモチ”を察してくれたみたいだ。
「そうだ、行くんだイリヤ! 大丈夫、僕も直ぐ行く!」

「……逃がさん」

その2人を追おうとする男の背中に向けて。

「待てッ!!」

懐にしまっておいた、ソレを出し、

「動くと……撃つぞ!!」

狙いを、つける。

311:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:43:55 7p+gSPoE
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。

;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


話し合いの結果、移動することがきまったんですがねー

聞いてないというし、荒らしだともいうし

312:鉄の、無敵の、 5 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:43:56 PKjTl46f


 @ @ @ @ @ @


ああ、くそ、イライラする。
私が敵前逃亡? あいつにビビッたっての?
ふざけんな!
クソッ、クソッ、クソッ!!

感情的には、不本意極まりない。
でも、理性的には、こうするしかないって分かっている。
あそこで私たちが加勢して、いったい何が出来たっていうのか?
私たちが持っている武器といえば。イリヤのマッハキャリバーぐらいだ。
ちびっ子の、正体不明の不思議アイテムを頼って、あのマフィアと殺し合いをさせる?
死んだアニタのように?
……あり得ない。
それに、ここは離島。袋小路だ。
このままでは、遅かれ早かれ、あのマフィアに追い詰められてしまう。
―“あの時間”を逃してしまっては。

その時間は、しっかり覚えている。
それを逃せば、次のチャンスは数時間後。
だから、このチャンスを逃すことは出来ない。
しかし、時間的には、かなり際どいタイミングのはずだ。
だからこそ、まごまごしている暇は無かった。
迷っている時間を惜しんで、走りださなければ、間に合わない。
それが、分かってしまったから、
アイツの言葉で、気付いてしまったから、
私は走り出した。

理性では分かっている。
イリヤを巻き込んじゃいけないってことも、分かっている。
でも……感情は、理屈だけではどうにもならない。

イライラする。
どうにもならないことが、むしょうにイライラする。


でも、どうにもならない。


クソッ!



@ @ @ @ @ @

313:鉄の、無敵の、 6 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:45:04 PKjTl46f

「動くな! そのまま、そのパイプを捨てろ!」

銃を両手でしっかりと支え、男にそう叫ぶ。
気迫で呑まれてしまう訳にはいかない。
でも、この男は……とりたて慌てる素振りすら無い。
2人を追おうとした足を止め、ゆっくりとこちらを振り向いた。

「アンタも見れば分かるだろう? この銃はオモチャじゃない!
 撃たれたくなかったら、僕の言うとおりにしろ!」

必死にそう叫ぶ僕を見る男の目は、あくまで冷静で、冷ややかだ。
しばしの間、静かに僕を見据えた男は、
そのまま、ゆっくりと、
一歩。
また一歩。
無造作に、まっすぐに。
僕に向かって、歩いてきた。

「と、止まれ! 撃たれたいのか!?」
慌てる僕。冷静な男。
銃を向けているのは僕だというのに、まるで立場が逆だ。
男はなんの躊躇もしない。
くそっ、本当は撃ちたくなんか無いけれど……
男を止めるために、足を撃つか!?
そう思い、ぐっと指に力を入れ―、


「安全装置が付いたままだぞ」


「えっ―!?」


慌てて手元の銃を見た、次の瞬間。
強烈な衝撃が、銃を握る両手を襲った。
銃が宙を舞う。
次に僕が見たのは、自分の顔面へと滑り込む、鉄パイプの鈍い光沢だ。
痛みを感じたのは、その後だった。

地面に倒れる僕を余所目に、男は銃を拾い上げる。
そのまま、銃のマガジンやグリップをかちゃかちゃといじる。
品定めでもするかのようだ。
「……まあ、良いだろう」
そして、改めて、僕を見下ろした。

「……無駄弾を使うことも無いな」




314:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:45:33 6lbOSQCD
>その時間は、しっかり覚えている。
>それを逃せば、次のチャンスは数時間後。
>だから、このチャンスを逃すことは出来ない。
>しかし、時間的には、かなり際どいタイミングのはずだ。
>だからこそ、まごまごしている暇は無かった。
>迷っている時間を惜しんで、走りださなければ、間に合わない。
>それが、分かってしまったから、
>アイツの言葉で、気付いてしまったから、
>私は走り出した。


こんな文書で楽しんでるとか、ウソじゃない?


315:鉄の、無敵の、 7 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:46:09 PKjTl46f
鉄パイプが振り下ろされる。
鈍い痛みが、全身を貫く。
呻きとも、呼吸音ともつかない音が、口の中から漏れ出てくる。
立ち上がろうにも、脚が言うことを聞いてくれない。
残念ながら、今の僕にできることと言えば、僅かに体を捩り、ダメージを僅かに和らげることぐらいだ。

でも、それにだって、意味は有る。
男は、銃を使わないつもりだ。
鉄パイプで殴り殺すつもりのようだ。
だから、ここで僕が、一分でも、一秒でも長く生きていれば、
それだけ2人と男との距離が開き、
2人が逃げるだけの時間が稼げる。

だから、僕は、必死に耐える。
今にも燃え尽きそうな命の火を、必死で守る。
たとえちっぽけなことだとしても、それには確かな理由があるのだから。
だから、僕は、必死に今を生きる。
今、この瞬間を。

なあに、大丈夫さ。
こう見えても、タフさには自信があるんだぜ?
それに、あの歌を聴けば、僕には力が沸いてくるんだ。



ほら、あの歌が聞えてきた……






【パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュベル!! 死亡 】


     @ @ @ @ @ @


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