【バーチャルYoutuber ..
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299:名無しさん@お腹いっぱい。
18/09/21 12:16:01.17 .net
西陽さんの作品

粒の細かい雨に、強い風。せまい折り畳み傘などものともせずに、空から降ってくる水滴は私の服を濡らしていく。
時折傘が負けて嫌ななびき方をするのにため息をついて、私は歩を進める。早く駅までつけばいいのに。思いながらまたため息。この濡れ鼠では、電車で座ることはできそうにない。
迎えを頼むか、誰かと相乗りでタクシーを呼べばよかっただろうか。ふとそんなことを考えた。学校から駅までドアtoドア。魅惑的な話だ。実に今更な話である。
少し前に、鞄を傘の代わりに歩いているクラスメイトが見えた。取っ付きにくい彼は、私の斜め前の席の花京院くんだ。
特別親しいわけでもないし、恋をしているわけではないが(私は空条先輩派だ)、見捨てていくのも些か気分が悪い気がした。……折り畳み傘半分。ないよりはましだろう。
「―ねえ、花京院くん!」
「……?」
私の呼びかけに、花京院くんが振り向いた。その次の瞬間だった。
ばっしゃん、と大きな音を立てて、私のすぐ脇を車が走り抜けていく。すぐそこの水たまりだろうか、跳ねた水で全身濡れ鼠になって



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