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572:文責・名無しさん
20/06/03 09:23:03.52 RErVka0t0.net
産経抄 6月3日
 美術家のクリストさんと妻のジャンヌ・クロードさんは、第7回高松宮殿下記念世界文化賞を彫刻部門で受賞している。ただしその作品はすべて消滅させてきた。
 ▼たとえば1991年に茨城県と米カリフォルニア州で3100本の傘の花を一斉に開かせた「アンブレラ・プロジェクト」である。まず地元の理解を得るために、夫妻は日本側で約450人に及ぶ地権者を一軒一軒訪ねた。
 ▼旧建設省に出した書類は、電話帳ほどの分厚さになった。もちろん同時に傘の製作を進めていく。大勢のスタッフとともに6年がかりで完成させた作品は、わずか3週間で撤去された。クリストさんによれば「芸術は永遠という概念への挑戦」である。
 ▼30億円を超える費用は、クリストさんの絵画や版画の売り上げでまかなった。スポンサーを求めないのは、作家の自由を守るためだ。
その背景には、スターリン時代の東欧ブルガリアで生まれたクリストさんの不幸な経験がある。当時の芸術家は共産主義への応援を義務付けられていた。
 ▼夫妻は「梱包(こんぽう)」のアーティストとも呼ばれていた。缶や瓶を布で包んだ作品に始まり、やがて建物や橋などと、規模が大きくなっていく。
なかでも国際的に大きな話題となったのは、旧ドイツ帝国議会議事堂を梱包した巨大プロジェクトである。建物全体を約10万平方メートルに及ぶ銀色の布で覆い、長さ1万5600メートルのロープでしばった。
 ▼先月末ニューヨークの自宅で84年の生涯を終えたクリストさんは、11年前に妻のジャンヌ・クロードさんと死別している。
同年同月同日ほぼ同時刻に生まれた2人は、パリで出会い恋に落ちた。新型コロナウイルスの大流行がなかったら今春、思い出の地の凱旋(がいせん)門が梱包されるはずだった。


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