シグルイのガイドライ ..
282:水先案名無い人
17/04/09 22:44:32.08 U26Vedpg0.net
鬼界が島の場
鹿ケ谷の陰謀を企て平家転覆を企んだ俊寛・成経・康頼の三人は、
鬼界ヶ島に流され早三年。彼らの流罪には刑期がなく、死ぬまでこの島に
いなければならなかった。食べるあてもなく、たまにくる九州からの船に
硫黄を売ったり、海草を食べたりして命をつないでいた。
物語は、この地に住む海女千鳥と結婚することを成経が打ち明ける
ところから始まる。島にきて以来の絶望的な状況の中起こった、数少ない
幸福な出来事を歓びあう三人と千鳥。そして形ばかりのことながら、成経と
千鳥は俊寛と康頼の前で祝言の杯を交わすのだった。
するとそこへ、大きな船が島を目指してやってくるのが見える。
何事かと皆は驚くがそれは都からの船であった。船が浜辺に着くと中から
上使の妹尾が降りてくる。妹尾は彼らの流罪が恩赦されたことを伝える。
建礼門院が懐妊したため、平清盛が恩赦を出したのだ。
夢かと喜びあう三人だったが、妹尾が読み上げる赦免状の中に、なぜか
俊寛の名前だけ無い。俊寛は赦免状を手に取り何度も内容を確認するが、
やはり自分の名前だけが見当たらない。 俊寛は清盛から目をかけられて
いたにも関わらず裏切ったので、清盛の俊寛に対する怨みは深く、それゆえ
俊寛だけが恩赦を受けられなかったのだ。妹尾はそう憎々しげに俊寛に伝えた。
喜びの後の突然の暗転に打ちひしがれて俊寛は泣き叫ぶ。だがそこへもう一人の
上使である基康が船から降りてきて、俊寛にも赦免状が降りたことを伝える。
俊寛にだけ恩赦が与えられないのを見兼ねた平重盛が、別個に俊寛にも赦免状を
書いていたのだ。これで皆が帰れる。そう安堵して三人が船に乗り込み、千鳥が
それに続こうとすると、妹尾がそれを止める。妹尾がまたも憎々しげに言うには、
重盛の赦免状に「三人を船に乗せる」と書いてある以上、四人目に当たる千鳥は
乗せることはできないというのだ。
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