【心理】創造性の高め ..
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5:pureφ ★
12/03/24 02:39:27.07
 これはアップルだけに言えることではない。発明の歴史はジョブズ氏の説を裏付けている。ライト兄弟は自転車製造
業者から飛行機の発明家に転身した。彼らの最初の飛行機は多くの点で翼のついた自転車だった。ヨハネス・
グーテンベルクはワイン絞り器の知識を大量の文字が印刷できる印刷機に応用した。グーグルの創業者である
ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏はインターネット上の学術論文に使われていた序列法(引用が多いほど影響力も
大きい)を適用することで、有名な検索アルゴリズムを開発した。

 このように物事をうまく結び付けて考えるにはどうすればいいのか。ジョブズ氏によると、最高の発明家は「多様な
経験」を追い求め、あとでつなげるための点を収集するのだという。狭い範囲の特殊技術を磨くのではなく、ジョブズ
氏のようにカリグラフィー(西洋書道)を学んだり、異なった分野の友人と付き合ったりするのである。答えはどこから
くるかわからないので、あらゆる場所で探すことに前向きなのだ。

 最近の研究はジョブズ氏の知恵を裏付けている。たとえば社会学者のマーティン・ルーフ教授はスタンフォード・
ビジネス・スクールを卒業して起業した766人の社会的・ビジネス的関係を分析した。同氏は友人関係に最も
多様性がある企業家は新しいアイディアの測定基準で3倍高いことがわかった。彼らは同調という型にはまるのでは
なく、広範囲な社会サークルでの経験を利益が上がる新しいコンセプトに転換させることができたのだ。

 最も革新的な企業の多くは、従業員がこうした多様性がある人的ネットワークを築くことや、まったく違う分野の
同僚と交流することを推奨している。グーグルはクレイジー・サーチ・アイディアズと呼ばれる社内会議―考え得る
あらゆる分野からの数百枚のポスターが展示される大人版科学展―を開いている。3Mではエンジニアたちが
だいたい数年ごとに新しい部門に配属替えとなる。こうした配属替えはときに大きな見返りをもたらすことがある。
たとえば3Mが、ラップトップ・コンピューターのバッテリー寿命で本当に問題なのは、画面を明るくするのが速すぎる
せいで電力が消費されているということに3Mが気づいたときである。3Mの研究者たちは、透明接着剤の知識を
適用して光の射出方向を外側に集中させ、省エネ効率を40%高める光学フィルムを開発した。

 誰かがまったく斬新な質問をすることで問題が解決することは、「メンタル・リストラクチャリング(精神的再編)」と
呼ばれている。興味深いのは専門知識がそうした再編を抑制し、突破口を見つけにくくする点である。新しい
アイディアを自分の専門分野だけではなく、部外者という立場と愚直な質問ができるという大きなメリットがある
他の分野の問題を実際に解決しようとすることが重要である。

 この原理は、科学的な難題をクラウドソースするウェブサイト、インノセンティブで日々機能している。サイトの構造は
単純だ。企業は最も難しい研究開発課題を報奨金付きで掲載する。サイトでは農学から数学まで、8つの科学
分野に分類される数百の企業から掲示された問題が閲覧できる。多国籍食品企業が「低脂肪でチョコレート味の
コーティング剤」を探していたり、電気機器メーカーが太陽電池で稼働するコンピューターを設計しようとしていたりと、
そのサイトの課題は信じられないほど変化に富んでいる。

 だが、インノセンティブに関して最も優れている点はその効率の良さだろう。ハーバード・ビジネス・スクールのカリム・
ラカーニ教授は2007年、サイト内に掲示されている数百もの課題の分析を始めた。ラカーニ教授のデータによると、
インノセンティブに掲載された難題の30%近くが6カ月以内に解決されたという。ときには掲載後数日で解決される
課題もある。その秘密は部外者的な考え方になる。インノセンティブの問題解決者たちが最も効率的なのは、
自分の分野の辺縁にある課題に対してである。化学者たちは化学の課題ではなく、分子生物学の課題を解決し、
分子生物学者たちは化学の課題を解決している。こうした人々はその課題を理解できるほどその分野に近しいが、
その知識は、専門家がぶつかったのと同じ壁にぶつかるほど詳しいということもない。

 すべての先入観や失敗への不安から解放され、初心者として課題に取り組む能力こそ、創造性への鍵である。

つづく


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