【フェイクニュースの恐怖】 メキシコの小さな町で、軽犯罪者がSNSのうわさのせいで誘拐犯に仕立てられ焼き殺される at NEWSPLUS
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【フェイクニュースを超えて】 SNSのうわさのせいで焼き殺され、メキシコの小さな町で
2018/11/16 7時間前
マルコス・マルティネス、BBCモニタリング
メキシコの小さな町で、子供を誘拐した人間がいるという噂がメッセージ・アプリ「ワッツアップ」で広まった。噂は作り話だったのだが、誰も真偽を確認せず、興奮した群集が男性2人を焼き殺してしまった。
8月29日の正午過ぎ、メキシコ中部プエブラ州にある小さな町アカトランでのことだ。工芸品店の店主、マウラ・コルデロさん(75)は、普段見ないような数の人たちが、店の隣にある警察署に集まっているのに気づいた。
コルデロさんは、扉に近寄り外をのぞいた。町の目抜き通りレフォルマ通りにある警察署の外には、何十人もの人だかりができていた。人数はどんどん増えて、たちまち100人を超えた。連休でもないのにアカトランにこれほど大勢が集まるなど、コルデロさんの記憶になかった。
しばらく様子を見ていると、パトカーが店の前を通り過ぎた。小さな留置所に2人の男性を連れて行くところだった。パトカーの後ろに大勢が続き、叫び声が群衆から上がった。連行される2人が、子供を誘拐したのだと責め立てていた。
察署の入り口には金属製の狭い門があり、その反対側から警官が、2人は誘拐犯ではなく軽犯罪の犯人に過ぎないと群集に説明していた。
軽い犯罪を犯しただけだ。膨れ上がる群集を前に、警官は何度も何度も繰り返した。
署内に座っていたのは、リカルド・フロレスさん(21)とアルベルト・フロレスさん(43)の2人。
リカルドさんはアカトラン郊外で育ち、法律を学ぶために250キロ北東のハラパ市へ引っ越していた。おじのアルベルトさんはアカトラン郊外の小さな地域で何十年も暮らしてきた農民だ。リカルドさんは最近、親類を訪ねるためにアカトランへ戻ってきた。親類によると、2人はその日、コンクリート・ブロックを使った井戸の工事を完成させようと、建設資材を買いに町の中心地へ出かけた。
警察によると、2人が何か犯罪を犯した証拠はなく、2人が警察に連行されたのは地元住民に声をかけられたことがきっかけで「治安を乱した」のが理由だった。
しかし、警察署の外にいた群集は、まったく違う話を信じ込んでいた。どこか知らないところででっち上げられ、メッセージ・アプリのワッツアップで拡散された話だ。
「どうか皆さん気をつけて。子供誘拐犯が大勢、この国に入った」というメッセージが、携帯電話から携帯電話へと送られた。
「どうやら犯人たちは、臓器売買にかかわっているらしい。ここ数日で、4歳、8歳、14歳の子供たちが姿を消した。死体になって見つかった子もいる。内臓が抜き取られた形跡があった子もいる。腹部が開かれ、中は空っぽだった」
警察署に近いサン・ビセンテ・ボケロン地区の小学校のそばにいたリカルドさんとアルベルトさんは、恐怖に取り付かれた群集心理から誘拐犯だと決め付けられた。2人の逮捕の知らせは誘拐犯の噂と同じように広まった。
警察署に押しかけた群衆を煽った1人が、アカトランに長年住む「エル・テクアンニト」こと、フランシスコ・マルティネス容疑者だった。調べによると、マルティネス容疑者はフェイスブックとワッツアップでリカルドさんとアルベルトさんを非難するメッセージを拡散した1人だった。
マルティネス容疑者は警察署の外で、自分の携帯電話から現場の様子をフェイスブックでライブ配信し始めた。
「プエブラのアカトラン・デ・オソリオのみなさん、ここへ来て応援してください。応援してください」とマルティネスはカメラに向けて語った。
(リンク先に続きあり)
リカルドさんとアルベルトさんに火がつけられた瞬間を捉えようと、多数の携帯電話が高く掲げられた
URLリンク(ichef.bbci.co.uk)


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