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FRBが3カ月ぶり利上げ年内さらに2回見込む
2018年6月14日 3:04
【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3カ月ぶりの利上げを決めた。利上げ幅は0.25%。物価上昇率は目標の2%に到達しており、年内さらに2回の追加利上げを中心シナリオとして示した。利上げペースは当初見込みよりやや加速しそうで、長期金利の上昇やドルへの資金回帰で市場を再び揺さぶる可能性がある。
FOMCは短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年1.50〜1.75%から1.75〜2.00%へと引き上げた。利上げは今年3月以来、3カ月ぶり。正副議長ら投票メンバー8人全員が賛成した。
FOMCでは会合参加者(投票メンバー以外も含む15人)が金融政策見通しをそれぞれ提示し、年内2回の追加利上げが中央値となった。18年の利上げ回数は計4回となる見込みで、今年3月時点に想定していた年3回から利上げペースが加速する。これまでの利上げ回数は15年、16年がそれぞれ1回、17年も年3回にとどまっていた。
利上げペースを引き上げ始めたのは、物価上昇率が目標の2%に到達しためだ。FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は3月、4月とも上昇率が2.0%となった。FOMC参加者は18年10〜12月期の物価上昇率が2.1%(中央値)と、目標をやや上回って推移すると予測しており、FRBは物価の過熱防止も求められ始めている。
米景気も底堅い。失業率は18年ぶりの水準に改善。大型減税や歳出拡大の効果で、4〜6月期の実質成長率も4%台の高い伸びになるとの見方もある。FOMC参加者の18年10〜12月期の成長率予測(中央値)は2.8%と、潜在成長率(1.8%)を上回る高い伸びが続くとみる。FRBは景気や物価動向に自信を深めており、利上げ加速論が強まっている。
もっとも15年末に始まった引き締め局面は2年半に達しており、先行きは利上げの打ち止め観測も浮かんでいる。FOMCメンバーの中央値でみると、19年の想定利上げ回数は3回にとどまり、20年はわずか1回だ。FRB内には景気を過熱させず冷やしもしない「中立金利」が低下して、政策金利の天井が下がっているとの指摘がある。
会合後に公表した声明文は構成を大幅に見直して「FF金利は当面の間、長期的に通常とみる水準を下回るだろう」とする文言を削除した。FOMCメンバーは長期的に適切な政策金利の水準を2.9%(中央値)と見込んでおり、足元のペースで利上げすれば19年半ばには同水準に到達するためだ。「金融政策は引き続き緩和的だ」とする文言は維持したが、FRBの政策スタンスは金融緩和の縮小から本格的な引き締めへと移行しつつある。
世界の金融市場では、アルゼンチンの通貨が急落するなど一部市場に動揺もみられる。米長期金利はイタリアなど南欧リスクの高まりでやや低下したが、利上げ加速を市場が織り込めば、上昇基調に再び転じる可能性もある。欧州中央銀行(ECB)や日銀の金融政策にも影響を与えそうで、世界市場は主要中銀の「金融政策の正常化」(パウエルFRB議長)を改めて注視している。


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担当:FIRTREE