多変数解析函数論3 ..
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106:132人目の素数さん
24/01/05 23:37:16.88 7rKQNy6r.net
つづき
「m 変数の n 次形式の全体は有限個の基底により生成される」
と主張しました。これは
「多項式環の任意のイデアルは有限生成である」
とも言えます。 無限にあっても有限個だけ考えればよいとなると驚くわけです。 4次元ゲージ理論におけるDonaldsonの理論も同様です。 ゲージ変換全体という無限次元の空間の中から有限を引き出すことが重要になるわけです。 Seiberg-Witten理論も同様の路線にあります。
「(Grothendieckの)スキームは慣れれば水のようなものです」
と言う数学者の知り合いがいるのですが、その彼に、「解析関数の層は連接であると言うことですが、その意味を教えてください」 と聞いたことがあります。 「私も何十年来年同じ疑問を持っていますが、いまだにわからないのです」 と言うのが答えでした。なんて正直なんだと思いましたが、連接性定理はそれだけ深いことを言っているのだと思いました。
正則領域とは何か、これは岡博士の研究の動機となった問題であり、これが明らかにならなければ多変数解析関数論は立ち行かなくなる ような理論の根幹にある問題です。正則領域を、その領域では正則であるがそれ以上広げると正則ではなくなってしまうような 複素関数が存在する領域と定義しましょう。どのような領域が正則領域となるかと言う問題を考えます。 一変数の複素関数論においては、複素平面の任意の領域が正則領域となります。 任意の領域に対してその領域でしか正則でないような関数を作ることができるからです。
しかし、二変数以上では状況が変わります。 勝ってにとってきた領域は必ずしも正則領域とはならないわけです。 正則領域は擬凸性により特徴付けられます。Hartogsにより正則領域は擬凸であることが示されましたが、その逆は成り立つか、 すなわち『Hartogsの逆問題』が重要な問題となります。これは、岡潔博士により不分岐領域において肯定的に解決されました。
つづく


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